なぞなぞ森の雑記帳
敬愛する黒柳徹子さんのこと-1
トットちゃんのなぞなぞ「こわくて、くさくて、おいしいもの、なぁに?」
2017年の終わり。
パンダのシャンシャンの公開フィーバーに見送られるかのように、
黒柳徹子さんの半生を描いた昼ドラ『トットちゃん』[*1]が
幕をおろしました。
母・朝(ちょう)とヴァイオリニストの父・守綱(もりつな)の
情熱的ななれそめ。
天真らんまんで背筋がピーンと通ったトットちゃんにおとずれる
出会いと別れ。
『窓ぎわのトットちゃん』のトモエ学園、
太平洋戦争、東北への疎開、父の帰還、
そして、テレビジョン時代。
そしてそして、国際的ピアニストとの海を越えた恋。(わぁお)
おひる休憩のひととき、画面の中のトットちゃんと
いっしょに泣いて笑った、三か月間でした。
*
「こわくて、くさくて、おいしいもの、なぁに?」[*2]
トットちゃん(子役:豊嶋花)が発したナゾナゾです。
小児マヒの郁夫くん(子役:横山歩)が、トットちゃんの助けで
人生最初で最後の木登りをし、
ふたりが枝にならんで語り合う場面でのことでした。
(郁夫くんは書籍の泰明ちゃんがモデル)
アメリカにいる姉からきいたテレビジョンの夢を語る、郁夫くん。
徹子さんが初めて「テレビ」にふれた珠玉のシーンです。
郁夫くんは急逝してしまう。
空にむかって泣きさけぶトットちゃんにもらい泣きして
ぐずぐずになりながらも、頭の中の「記憶のぽつぽつ」が動き出しました。
(あれ。ナゾナゾ、本でもあの場面だった?)
書棚へダッシュし(ほんの数メールですが)
『窓ぎわのトットちゃん』をひもとくと…
あ、やっぱり。
書籍では木登りをした「大冒険」の項のつぎ、「肝試し」に出ています。
「脚本の妙」だなぁ。
-----------------------------------
「こわくて、くさくて、おいしいもの、なぁに?」このナゾナゾは何度やっても面白いので、トットちゃん達は、答えを知っているのに、「ねぇ、”こわくて”っていう、あのナゾナゾ、出して?」と、お互いに出しあっては、よろこんだ。
(『窓ぎわのトットちゃん』より)
-----------------------------------
気になる答えといえば、
「鬼が、トイレで、おまんじゅう喰べているところ」(!)
昭和のナゾナゾ、恐るべし。 笑
*
今回、写真を撮るために『窓ぎわのトットちゃん』の
表紙カバーをはずしました。
待っていたのは、
この少女 ───
トットちゃん、みっけ!
トットちゃんをそのまんま描いたかのような
いわさきちひろの作品に出会えたのです。
ドラマの『トットちゃん』を観なければ、
この「なぞ森雑記帳」を思い立たなければ写真を撮ろうとしなければ、
一生、会えなかったかもしれないね。
思考が遠いむかしの自分に、とんでいく。
幼稚園の集団行動が苦痛で不登園児だったこと。(だんだん慣れました)
小学校では給食が苦手でたびたび保健室のお世話になったこと。(やはりだんだんと)
見守ってくれた、先生に、両親に、感謝です。
しばしノスタルジックな時にひたったのち、
少女にそっとカバーをかけて
書棚の定位置におさめました。
2017年12月22日
[*1] テレビ朝日系帯ドラマ劇場『トットちゃん!』2017年10月2日-12月22日 原作(原案):黒柳徹子 脚本:大石静
[*2]『徹子の部屋』2009年2月18日の大橋のぞみちゃんとのナゾナゾ合戦で徹子さんが出したナゾナゾは「怖くて甘くて臭いものなんだ?」でした。
-関連リンク-
戦後最大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』再び!|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
『窓ぎわのトットちゃん』は子どもが扱いやすいよう2巻分冊の絵本になり、トモエ学園が大戦の空襲で焼失する最後まで読んでほしいという黒柳さんご本人の希望により、セット販売だけされています。
社会福祉法人 トット基金
黒柳さんが『窓ぎわのトットちゃん』の印税をもとに設立。聴覚障害者の就労継続支援、日本ろう者劇団を運営。
原案・黒柳徹子さんからのメッセージ|帯ドラマ劇場『トットちゃん!』|テレビ朝日